歯科治療最前線

骨を削らないインプラント「バイオインプラント®」

「バイオインプラント®」は骨を削らずに埋め込める、お1人おひとりの歯根の形に合わせて作るオーダーメイドインプラントです。様々な理由で歯を抜かなければならないときの、より適したリカバリー方法が「バイオインプラント®」です。抜く歯と全く同じ大きさ、形状のインプラントを作って置き換えるので骨を削らずに治療できます。そのため、身体にかかる負担を軽減でき、インプラントを埋め込む時間も短くて済みます。歯肉の上の歯冠部分の色や形も、置き換え前の歯に合わせられます。

白井 清士(しらいきよし)

医療法人財団興学会

白井清士(しらいきよし)

東京都出身 日本歯科大学歯学部卒業医学博士
「バイオインプラント」のお話を伺った白井氏は、スウェーデンをはじめ海外の先進的な歯科治療を導入し、患者さんにより適した治療を行えるよう研鑽を積んでいる。インプラント治療も多様な選択肢から、"美しさ"を備えた提案を行っている。

日本矯正歯科学会ほか
スエデンタル指導医

「バイオインプラント®」は、一般的なインプラントと比較してどのような特徴を持っているのでしょうか?

患者さんの歯の根の形と全く同じに1人1人オーダーメイドで製作した人工歯根を埋め込むのが、「バイオインプラン®」です。一般的なインプラントでは、ねじのような形のインプラントを埋め込むのですが、オーダーメイドはその形の違いが様々なメリットを生み出します。
まず、顎の骨を削らなくてよいということです。もともとあった歯の根と同じ形に作られた人工歯根を差し込むので、歯を抜いた後の骨の穴にうまく納まります。
一方、従来のインプラントはインプラントスクリューの大きさに合わせて骨を深く削る外科手術をともないます。この手術が必要ない分、痛みが少なく、身体への負担が軽減されます。同時に手術時間も比較的短くなり、インプラントの埋め込みは抜歯後3分程度で終了します。従ってインプラントの埋め込みに関連した治療は1日で完了します。
また、骨と人工歯根の密着度が従来のインプラントスクリューに比べて高いため、手術後に歯周病などの原因菌が侵入するリスクが軽減されます。

それでは、「バイオインプラント®」による治療の流れを教えてください。

この治療についての説明などを行う初診カウンセリング後、「バイオインプラント®」による治療が可能ならば、3D(三次元)レントゲンで、インプラントに置き換える歯を中心に口腔内を撮影して、歯の形を3次元データとして取得します。このデータからインプラントを製作します。
インプラントができたら、埋め込み手術を行います。まず、インプラントを埋め込む位置にある歯を抜歯してから、バイオインプラントを埋め込みます。続いてインプラントを固定するために、隣の歯とつなぐクラウン(かぶせもの)仮歯をバイオインプラントの上に装着します。ここまでで手術は終了です。
インプラントと骨が結合したら、隣の歯と結合させる仮歯をはずして、印象を取りセラミッククラウンに置き換えます。これで「バイオインプラント®」による治療は完了です。

「バイオインプラント®」による治療は、どのような患者さんに適しているでしょう?

抜歯後すぐにインプラントを埋め込まなければならないので、抜く前の歯が残っている患者さんでなければなりません。外から力が加わって歯が割れたり、大きく欠けたりして抜かなければならなくなった患者さんに適しています。
むし歯などで歯冠(歯肉から出ている部分)が欠損している場合でも、歯根が残っていれば「バイオインプラント®」は可能です。
一方、歯周病にかかっている患者さんは、インプラントを埋め込む位置の骨の状態をしっかり確認してからでないと判断できません。骨がなくなり歯根との隙間が大きくなっていれば、「バイオインプラント®」のメリットを活かせません。骨が残っていたとしても、もろくなっていればインプラントを支えることができないので、他の治療方法を検討することになります。
条件さえ満たしていれば、どの位置の歯でも、何本でも「バイオインプラント®」は可能です。顎の骨が比較的薄い前歯でも、これまでと同じ大きさ、形のものに置き換えるので対応可能です。
インプラントの素材も、より骨との結合性が高いチタン、埋め込み後も目立ちにくいジルコニアから埋め込む位置や患者さんの体質、意向に応じて選択することができます。最後に装着するクラウンも患者さんの他の歯に合わせて、色や形を調整し、自然な見栄えに仕上げられます。

「バイオインプラント®」の特徴と治療

従来既製品のインプラント(左)とオーダーメイドで作る「バイオインプラント®」(右)の形状の違い。もとあった歯とまったく同じ形・大きさに製作する。

従来既製品のインプラント(左)とオーダーメイドで作る「バイオインプラント®」(右)の形状の違い。もとあった歯とまったく同じ形・大きさに製作する。

インプラントを埋め込んだ後、仮歯の上に隣の歯とつなぐクラウンを装着して、骨とインプラントの結合を待つ。

インプラントを埋め込んだ後、仮歯の上に隣の歯とつなぐクラウンを装着して、骨とインプラントの結合を待つ。

骨とインプラントが結合したら、仕上げのクラウンを装着して治療が完了する。

骨とインプラントが結合したら、仕上げのクラウンを装着して治療が完了する。

Point

歯周病リスクが小さい形状

天然の歯と同様にインプラントの周囲でも歯周病の原因菌は増殖し、骨を溶かしていきます。インプラントは骨と結合しやすくするために表面がザラザラしています。歯肉から露出しているとツルツルとした表面より菌が付着しやすく、除去しにくくなります。また、従来のインプラントはねじ山に沿って骨に向かって移動しやすいのですが、「オーダーメイドインプラント」は表面の形状が工夫されているので潜りにくくなっています。

医療法人財団興学会 新橋歯科診療所

住所
〒105-0004
東京都港区新橋6-2-1 木村ビル1階
JR「新橋」駅より徒歩8分
電話番号
03-3437-3880
URL
https://www.kougakukai.com

医療法人財団興学会 赤坂歯科診療所

住所
〒107-0052
東京都港区赤坂5-5-18 オースピス赤坂1階
東京メトロ千代田線「赤坂」駅より徒歩3分
電話番号
03-3583-1818
URL
https://www.akasakashika.com
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