歯の治療時に撮影した歯科X線フィルム画像を顎骨骨密度診断ができるBoneRightソフトウエアー(第二種医療機器、国際特許取得済み、(有)デンタルグラフィック・コム社製)に取り込み、顎骨骨密度診断を行います。患者さんには、お口のX線撮影をしていただくだけで、簡単に計測が出来ます。
体の骨よりも顎の骨密度の変化が早く出ることから歯科医院で一早く骨粗鬆症をはじめとした骨の異常を見つけることが出来ます。
今後、骨粗鬆症患者は急増し、治療薬であるビスホスホネート製剤(BP)等の骨吸収抑制剤投与の患者さんも急増することから、骨吸収抑制剤投与中の患者さんに対しても、抜歯等の外科的歯科治療に際して、顎骨骨密度診断により安心で安全な歯科治療が期待できます。
また、顎骨骨密度の増減の予兆をとらえることにより歯周病の早期治療が可能となります。骨粗鬆症は歯の喪失とも関連し、結果的に顎骨の骨密度減少は、全身の骨密度減少とも関わることから[1,2,3]、歯を守るために医科へ精査の紹介することで、潜在的骨粗鬆症のスクリーニングと医科での早期治療に繋がります。また医科でのBP投与前に骨粗鬆症の患者さんが歯科を受診することで適切な口腔管理が可能となります。
顎骨の骨密度診断は、低骨量を呈する疾患において安心で安全な歯科治療に繋がると共に、新たな医科歯科連携の展開による先制歯科医療へのパラダイムシフトを期待させます。
参考文献
[1] Takaishi Y, et al : Assessment of Alveolar Bone Mineral Density as a Predictor of Lumbar Fracture Probability. AdvTh er. 2013;30:487-502.
[2] akaishi Y, et al. A pilot case - control study on the alveolar bone density measurement in risk assessment for Bisphosphonate - related osteonecrosis of the jaw (BRONJ).OsteoporosisInt.2010;21:815-825.
[3] akaishi Y, et al. Correlations between periodontitis and loss of mandibular bone in relation to systemic bone changes in postmenopausal Japanese women. Osteoporos Int. 2005;16:1875-82.
Bone Right ホームページhttp://www.dentalgraphic.com