歯質に対する侵襲を最小限にして、コンポジットレジン(プラスチックの詰め物)によって審美的な修復をする治療法です。
「歯をきれいにしたいけど、歯をたくさん削ってセラミックを入れることには抵抗を感じる」という患者さんに向いています。
まず、「ダイレクトボンディング」で形や色を整えた後、やはりセラミックの差し歯に代えたい場合は対応できます。しかし、1度差し歯にしてしまうともう元には戻せなくなるからです。
他の治療と同様に、事前に正確な診査診断を行うことが治療後の長期安定につながります。患者さんの全身疾患、年齢、咬合、歯周組織、残存歯質などを診査診断し、診断用模型で最終形態をイメージできると、さらに精度が上がります。
この治療の最先端である米国を中心に「ダイレクトボンディング」の材料や接着技術が進化し、欠点が改善されてきた結果、安全性、耐久性、審美性、表面の艶が高まりました。
現在、コンポジットレジンは大きく3つに分けられます。エナメル質に似ている「マイクロフィラー」、象牙質に似ている「マイクロハイブリッド」、耐着色、耐プラーク性に優れた「ナノフィラー」です。さらにオレンジやホワイト、黄色などの色づけも可能です。
ただし、この治療は手技が難しくすべての歯科医ができるわけではありません。できる限り健康な歯を残すための技術、患者さんの他の歯と色が調和するように20色以上の素材から最適なものを選び、さらに色合わせのセンスが必要だからです。また、保険外なので歯科医によって金額が変わります。