「いびきを家族に指摘されて以来、仲間との旅行を躊躇するようになった」「自分のいびきで深夜に目覚めてしまい、熟睡しにくい」そんないびきにまつわる悩みを歯科の受診で解消できる可能性があります。治療用のマウスピースを装着して顎を前方に送り出すと、気道が確保されていびきをかかなくなります。しかし、いびきは睡眠時無呼吸症候群によってかいている可能性があります。歯科だけでなく、医科の病院、診療所の受診を勧めます。
医療法人社団宣心会 こころデンタルクリニック
渡邉宣之(わたなべのぶゆき)
東京都出身 鶴見大学歯学部卒業 「マウスピースによるいびき治療」のお話を伺った渡邉氏は、隣接する睡眠時無呼吸障害の医科診療所と連携して、開業以来いびき治療など睡眠に関わる問題に対応してきた。歯科の視点から質の高い睡眠を得るための様々なアドバイスも患者さんに対して行う。
日本睡眠歯科学会、日本口腔外科学会、日本口腔科学会、日本口腔インプラント学会ほか
最初に、いびき治療は歯科だけでは完全に対応できないことを理解していください。医科との連携が必要です。いびきの原因は、顎や舌が後ろに下がるために起こります。これを改善するために顎を前方に送り出す形のマウスピースを作り、睡眠時に装着してもらいます。このマウスピースは歯科医でないと作れません。マウスピースを装着している間は、気道が十分に確保されるためいびきをかかなくなります。マウスピースは噛む力が強い患者さんでも1年程度、通常は3~4年もつようです。顎を押し出す力は歯を通して伝わるので、歯の本数が少ない患者さんには適さない場合があります。また、歯周病などで歯がぐらついている患者さんは先に治療しておく必要があります。いびきは回りの方に迷惑をかけるだけでなく、本人もその音で目が覚め、睡眠の質を落とします。また、睡眠時無呼吸症候群に至る可能性もあるので、医科の受診を勧めます。診断を受ければ歯科でも保険が適用されます。
いびき治療用マウスピース
睡眠時に装着するマウスピース。顎を前方に繰り出し気道を確保する。
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