「きれいな歯並びを手に入れたいが、矯正装置が目立つと嫌!」このような理由で矯正治療をためらっている方もいらっしゃるのでは?透明に近い素材のマウスピースを使う「インビザライン」は、目立たないので、他人に気づかれにくい装置です。しかも、矯正後の歯列をコンピューター上でシミュレーションによって、確認できます。段階ごとのマウスピースを自分で交換していくので、一般的なブラケットとワイヤーによる矯正より通院回数を減らすこともできます。
お茶の水矯正歯科
栃木歌子(とちぎうたこ)
東京都出身 東京歯科大学歯学部卒業 「インビザライン」のお話を伺った栃木氏は、矯正学を学び大学病院に11年間勤務し研鑽を積みました。子供から大人まで、さまざまな装置で幅広く治療する矯正認定医。お口の健康は「咬み合わせが重要」と、患者さんにわかりやすい説明を日々努めています。
日本矯正歯科学会(認定医)、日本成人矯正歯科学会(認定医・理事)
「インビザライン」は透明に近いマウスピースを使って矯正していきます。その特徴は、患者さんが自由に取り外しできることです。これは長所であり、短所でもあります。食事を取るとき、マウスピースを外せば矯正前と同じように食べることができます。ブラケットとワイヤーで矯正している場合は、器具が外れないようにワイヤーにからみやすい食べ物や硬い食べ物を避けなければなりません。食後の歯磨きもマウスピースを外したまま行うので、矯正前と同様に違和感を感じずに磨けます。マウスピースそのものも外した状態で洗浄できるので、清潔な状態にして装着できます。また、マウスピースは透明に近い素材でできているので目立ちにくいのですが、重要な面談やプレゼンのときなど、どうしても矯正しているところを見せたくない場面では取り外すことができます。逆に、取り外している間は歯を動かす力がかからなくなるので、外している時間が長いほど矯正期間も長くなります。これが短所ともいえます。「インビザライン」は少しずつ歯を動かしていきますが、それでも違和感を感じないわけではありません。矯正に対するモチベーションが低い子どもなどは取り外しがちにならないように、親御さんは注意が必要です。
まず、カウンセリングでインビザラインの特徴を理解していただき、同意いただければマウスピースの準備に入ります。ブラケットとワイヤーによる矯正では、矯正後の歯列を歯科医はイメージできても、患者さんが視覚的に確認することができません。一方、「インビザライン」では、光学スキャナーの「iTeroElement」などを使って矯正前の歯型をとり、立体的な3次元モデルを「クリンチェック」というソフトで構築します。このモデルでどの歯をどこにどれくらい移動するかをシミュレーションし、その結果を見ることで、患者さんは矯正後の歯列を確認できます。矯正後の歯列に満足できなければ「インビザライン」による矯正を中止することもできます。「インビザライン」による矯正を開始する場合は、患者さんの歯型やシミュレーション結果を米国のアライン・テクノロジー社に送り、マウスピースを製作します。矯正前の歯列から矯正後の歯列まで、歯1本当たり最大0.25mm程度ずつ移動させ るように段階を区切り、それぞれに対応するマウスピースを製作するので、人によって枚数は異なります。ブラケットとワイヤーによる矯正では、歯科医がワイヤーを締め付ける具合によって歯列の移動具合が変わるので確認のための通院が必要ですが、「インビザライン」なら歯科医が指示したタイミングで交換していき、矯正を進めていくので、通院回数を減らせます。
はい。これでシミュレーションによって示した歯列になります。しかし、矯正で移動した歯はマウスピースを外すと元に戻ろうとします。これを防止するために、矯正期間と同じ期間、リテーナーというマウスピースを装着して保定します。「インビザライン」はコンピューターシミュレーションによってスムーズに矯正できるように計画されますが、そのプロセスを検証するのは歯科医です。そのため、「インビザライン」による矯正を希望する場合は、この矯正に習熟した歯科医を受診することをお勧めします。
「インビザライン」の計画と矯正
光学スキャナーの「iTeroElement」で矯正前の歯型をとる。
「クリンチェック」で矯正前の歯列から、矯正後の歯列までをシミュレーションできるので、事前にゴールを視覚的に確認できる。
Point
デジタル技術で精度を高めたマウスピース
インビザラインは、最新のデジタル技術を導入した米国の工場で、患者さん一人ひとりに合わせてカスタム作成するマウスピースです。だから、手作業を上回る高精度のマウスピースに仕上がります。患者さんがこのマウスピースを歯科医師の指導に沿って装着すれば、最初のカウンセリングで確認した"ゴール"となる歯列に整えることができます。食事中や歯磨き時など、必要な場合はマウスピースを外せるのでQOLも高まります。
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