歯科医院の中で手当てできる時間と、自宅でブラッシングに充てられる時間には、10倍以上の差があります。定期健診を3カ月に1回、それぞれ1時間おこなったとしても、その合計は年間4時間です。これに対し、自宅でのブラッシングを1日3回3分間続けるだけで、年間50時間以上のセルフケアが可能になります。
ただ、「ブラッシングをきちんとしましょう」と言ったところで、なかなか患者さんには染み込みません。なぜそうする必要があるのかを、具体的かつ何度も繰り返すようにお伝えしています。患者さんの“ヤル気”スイッチが入らなければ、予防への取り組みは始められません。そのタイミングを辛抱強く待つためには、相手の身になって考えられる「思いやりの心」が欠かせないと思います。