胃腸を悪くした親の看病を通じて「食事内容とお口の健康の大切さ」に気付かされました。いまでも症状を悪化させる最大の原因は「病院嫌い」だと考えています。
ですから、少しでも来院しやすくするために、当歯科医院の環境整備には人一倍、気を使っています。我慢に我慢を重ねた末に利用する最終手段ではなく、いの一番に頼れる存在として、地域に関わっていきたいですから。
環境整備の1つとして、スタッフのコミュニケーションスキルを磨いているところです。患者さんの立場や生活スタイルといった背景が見えれば、よりその人に合った治療計画をご提案できます。また、こちらの意見ばかりを押しつけて、患者さんが医療から離れてしまったら、むしろ逆効果になってしまいます。怖さや嫌悪感の原因などは人それぞれなので、お互いの擦り合わせが欠かせません。そのため、フリーランスの講師を招いて、技術や接遇の研修を行っています。
スムーズなコミュニケーションのために、「相手のことを聞く前に、まず自分のことから話してください」と、スタッフにはお願いしています。クリニックのファンというよりも、スタッフのファンになってもらうことで、気の置けない信頼関係を構築できていくと考えています。患者さんには遠慮なく、何でもお話していただきたいのです。
できるだけ抵抗感を感じられないような診療体制を築いていますから、痛みなどの自覚症状がなかったとしても、定期健診にいらしてください。例えば、口腔環境の悪化が口臭に現れると、自分より先に他人が気づくものです。健診で私たちが、何かしらの不具合を早期発見できれば、その日のうちに対処できる可能性が高まります。治療のための通院期間も短くなるでしょう。