その道の先人が苦労して築いたノウハウなのですから、そのままの形で取り入れなくては、名ばかりとなってしまうでしょう。唾液検査や14枚以上の写真撮影などから、患者さんごとの疾患リスクをあぶり出していくプロセスこそが、予防歯科の本質だと考えています。
あれは開院して間もないころでしょうか。定期健診でチェックしていたにもかかわらず、むし歯を発症させてしまった女の子がいました。歯を守りきれなかったことがものすごくショックで、「歯石を取り除くだけでは不十分」という事実に気付かされました。そんな矢先に、熊谷崇先生の予防治療に関する考え方を知りました。歯の状態よりも人の状態、つまり人それぞれに異なる疾患リスクから歯科治療全体を考えていかなくてはいけなかったのです。
PMTC、いわゆる「プロによる専門的な機械を用いた歯面清掃」にしても、もともとはスウェーデンの歯科衛生士が開発した歯科技術です。きちんと行おうとしたら、約1時間はかかります。オリジナルの手法を歯科衛生士に学ばせ、忠実に実践するのが当グループのこだわりです。